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ファンタジー世界の定番キャラクターと言えば。そう、知性ある人外ですね。
もちろんマジックにも多数います。ゴブリンのような亜人から、頭部だけ鳥の獣人や、文明を築くカエルの魔術師まで様々です。
人外である彼らは、人とは異なる彼ら独自の共同体や文化を築きます。その社会的立場において、特別な地位にあり特権を持つ者は〈貴族〉と呼ばれます。
人間とは異なるのに、人間と同じような地位を持つ。貴族階級が持つ絢爛さや醜悪さは、人のそれに似通ります。
いいですよね。ゴージャスで、愚かで、愛らしいですよね。そんなマジックの〈貴族〉クリーチャーをいくつか描いてみました。
いいよね、人外貴族
《芸術の奨励者》

ドラゴンで貴族の《芸術の奨励者》です。マジックが『ダンジョンズ&ドラゴンズ(以下D&D)』とコラボした時のカードです。
これは大分、人間に寄ってます。〈ドラゴンボーン〉と呼ばれる、人型のドラゴン族だと思われます。この娘は母親の所有する美術館で、展示品を我が物顔で持ち去っています。普通に狼藉です。
D&Dの世界では、ドラゴンは圧倒的な存在として描かれます。それは尊大さであったり、知性であったり、純粋で巨大な力であったりします。ドラゴンボーンと呼ばれる種族もドラゴンを起源とし、中々に意識が高いです。
ただしこの《芸術の奨励者》に至っては、良くない貴族のお手本のような振る舞いをしています。誇り高いドラゴンの種族が、人間に寄ったことで行動が矮小化してます。大変かわいらしいですね。
《芸術の奨励者》のプロキシ
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フル装備されたお嬢様ドレスからドラゴン・マズルが見えるの、いいですよね。
《セファリッドの皇帝アボシャン》

タコで貴族の《セファリッドの皇帝アボシャン》です。タコ!? 元々は〈セファリッド〉という水棲種族でした。
かつてのマジックの種族(サブタイプ)は、数えきれないほど細分化していました。トカゲ人間の〈ヴィーアシーノ〉だったり、戦う猫型人間こと〈猫族の戦士〉だったり、明らかに種族じゃなくて個人の〈イシュトヴァーンおじ〉などがいました。それらはマジックのファンタジー観を強調し、異世界を豊かなに描写していました。
ただゲーム的には不便でした。「猫デッキを組みたいのに、チーターと豹と虎で分かれている」とか、「グールとワイトがゾンビのサポートを受けられない」といった事が多々ありました。「人気種族のゴブリンは年々カードが増えているのに、僕の大好きなヒキガエルは全然増えない」といった格差もあり、ルール改訂による大きなカテゴリー管理は必要でした。
でも〈タコ〉と〈セファリッド〉は別物なんですよ!(豹変) 前者が動物で、後者が知性体であることが種族名からはっきりします。〈セファリッド〉だから賢いんです。〈セファリッド〉の語感があるから〈貴族〉とマッチするんです。タコはタコなんです!!
まあ賢かったせいで、力に溺れて死んだのがアボシャンさんなんですけどね。タコで良かったかも。
余談ですが、『R&D Playtest cards』に収録された《Learned Learner》は、構築フォーマット外のテストカードであるため、タコに改訂されずセファリッドのままだそうです。一匹だけあぶれて、かわいそう。
《セファリッドの皇帝アボシャン》のプロキシ

皇帝ともなれば、身にまとう装飾も豪華絢爛。ゆったりボディーラインの布も優雅でいいですよね。
《全ての鍵、おたから》

ビーストで貴族の《全ての鍵、おたから》です。突然マジックの世界に現れた、正体不明の謎ケモです。
おたからが登場したのは2024年の4月頃。この記事を描いている時点で一年くらい経ちますが、素性は何もわかっていません。どこで生まれて、宝物庫から救出されるまでは何をしていたのか、とにかく可愛い以外の事が判明していません。
ただ〈貴族〉ではあるらしいのです。貴族ということは、どこかの文明の社会階級の属し、それなりに高位な役職持ちだったのでしょうか。その辺の生い立ちが、語られざる物語の主人公っぽくて楽しいですよね。
今のところ元気いっぱいのケモノです。思ったより口の中が猛獣なのがチャームポイントです。裸マントもわんぱくで、大変よろしいです。モフモフの特権ですな。
《全ての鍵、おたから》のプロキシ
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金の装飾に、意味ありげなマーカー。気品に溢れたミステリアスこそ、貴族の魅力です。ケモに馴染みます。
《最強の大鷲、グワイヒア》

鳥で貴族の《最強の大鷲、グワイヒア》です。そのまんま、思いっきり鳥です。
グワイヒアさんはファンタジー特有の外見ではなく、現実の鳥の姿に寄っています。マジックには人型の鳥である〈エイヴン〉が多様な次元に存在していますが、鳥かつ貴族のクリーチャーは現在おりません。いそうなのに。
グワイヒアさん自身もロード・オブ・ザ・リングから来てくれたので、本当にマジックの鳥・貴族って不在みたいです。〈貴族〉のサブタイプが復活したのは2019年の事であり、それまでのインテリ鳥はウィザードのイメージでした。これからは貴族の鳥も増えてほしいです。絶対おしゃれさんですよ。
余談ですが、「鳥・貴族」って言いたいがためにチョイスした人外だったのですが、グワイヒアさんがムキムキでふざけられる空気でなく、逆にこっちが取って食われそうだったので、最大限敬意を払って描きました。ゆるして。
《最強の大鷲、グワイヒア》のプロキシ

抽象的な王冠と、金のアンクレットがオシャレ。亜人でもオリジナル生物でもない、鳥そのものなのがいいよね。
以上で人外貴族特集は終わりとなります。いいですよね、人外貴族。戦う獣人はファンタジー世界の戦場でよく見ますが、その獣人の故郷であったり、生活や文化様式が彼らの意匠を通して見えてくると楽しいです。〈貴族〉はその辺をよく見せてくれるので、好きなサブタイプです。
読んでくださり、どうもありがとうございました。
おまけ:各キャラクターについて
全身図と詳細いろいろ
おまけで全身図を載せます。今回も奥さんが水彩で色塗りしてくれました。わーい。
また制作途中の記事では、各キャラクターについて色々書いてます。本記事で触れた内容以外の事も書いてあるので、ご興味があれば下記リンクよりお越しください。




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