
奥さんが中学生の頃に愛用した遊戯王のデッキは、新しく夫が用意したデッキにメチャクチャ刺さるバーンデッキでした。
バーンしてくるモンスターは《デス・コアラ》だけでなく、《デス・ウサギ》だの《ポイズンマミー》だのが身を潜めており、次々に直接ダメージを夫にぶつけてきました。
奥さんに楽しくデュエルしてもらいたかったので、結果的にはこれで良いのです。でも何か、必要以上のボコボコを感じる…?
はい。奥さんは更なる愉悦のため、ここから一切手を抜かずにボコボコしてきます。
奥さんがボコボコにしてきます。
奥さん強くね…!?
ガチ目のカード。

夫のアンデット・デッキは、後の生け贄となるノーマル・アンデット・モンスターの群れを、魔法・カードやトラップ・カードのサポートを得て場に呼び出す戦法でした。
なのでぇ… 《ハーピィの羽根帚》とか言う、魔法やトラップに対して無慈悲なリセットカードに弱いんですよぉ…!
正直な話、中学の女子友達と遊んでいたデッキって聞いていたから、完全に油断してました。何で羽根箒なんか持っているんだ!?
後日、奥さんに羽根箒の出所について確認したところ、「何故か持っていた」とのこと。当時を思えば、かなり入手難易度の高いカードであったはず。何故持っている。そして何故夫に使う…
純粋な決闘に容赦はなし。

アンデット・モンスターを呼び出す心臓部であるサポートカードを破壊され、次に待っていたのは残党の駆逐でした。
《ライトニング・ボルテックス》による全体除去を正面から浴び、夫の場には何もなくなりました。ここまで徹底した殲滅を行って、ようやく奥さんは安心したようです。
目に見えてウキウキし始め、ニコニコと次のリバース・モンスターをセットします。
そこまでしなくても大丈夫だよ! よく見てごらん、夫はもうバラバラに散骨してるよ! オーバーキル寸前だよ!
連続デス・コアラ砲。

夫がもたもたと立て直しをしている間に、次の《デス・コアラ》砲が発射されました。
奥さんのデッキは1つの戦法に特化したものではありませんでした。様々なカードがバランス良く配分されており、同名のカードは多くて2枚ほど、大体が1枚挿しになっています。
それなのに《デス・コアラ》だけが3枚、ぎっちぎちに詰まっている…!
また、リバース・モンスターの効果を再利用するために《月の書》までもが丁寧に仕込まれている…! い、い、いてえよぉおお~~
何故こんなにも《デス・コアラ》だけがデッキに入っているのか聞いたところ、「近くの古本屋さんに遊戯王カードのコーナーがあって、そこに居たから連れ帰った」とのこと。 よ、余計なことを…
ちなみに《ハーピィの羽根帚》はそこで買った訳ではなく、またお友達と交換した訳でもないそうです。出所不明のガチカードこわ…
バーンはバーンとしてブルーアイズ召喚。

砲撃を打ち尽くした《デス・コアラ》は、《ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン》召喚の生け贄になりました。
すごい! 戦略に無駄がない! 何だお前、歴戦の決闘者か?
夫に対する奥さんのデッキ、それは純粋な暴力でした。魔法・トラップ・モンスター、全てが暴力で整えられており、復帰勢の夫をボコボコしました。
当初、夫が奥さんに心配していた、「ワンサイドゲームになったら良くないな~」とか、「いいところで花を持たせてあげたいなぁ~」みたいなのは完全に杞憂でした。
対戦中、子供の頃に感じていた懐かしい感覚が蘇りました。こうやってゲームで一方的にボコボコにされると、心が無情に霧散していくんだよな~。まあ奥さんがキャイキャイしてるから、いっか~
灰燼。

奥さんの最強デッキによって、夫は消し飛びました。場のモンスターも、手札のカードも、ライフポイントも抗う気持ちも、全部消えました。
奥さんは嬉しそうです。無邪気に「やったー! 勝ったー! オラーッ!」とかはしゃいでいます。よかったよ、楽しんでもらえて。ホントに。
約束された敗北。
戦いの末に。

戦いが終わったので、お互いのデッキを和やかに見せっこしました。
奥さんのデッキは思ったよりえげつなかったです。戦いの間はわからなかったけど、バーン・カードまみれでした。
それでいて《心変わり》や《死者蘇生》といった強力カードは抑えており、普通に強かったです。
夫が「こうこう、こうなる予定だったんだよ~」と不完全燃焼のデッキを見せていると、奥さんは満面の笑みで「そうだったんだ! でも私が勝ったよ! 残念V!」と再度勝利宣言してきました。
奥さんは夫を煽っているのではありません。自分の勝利に酔っているのです。まあ、いいでしょう。私も心を込めて、あなたの勝利を讃えましょう。
「初勝利おめでとう! 私は全然悔しくありません!! おのれッッ!!!」
夫婦の戦いの始まり。

こうして『第一回・お家デート/遊戯王ガチデュエル編』は終わりました。
この時の対戦は、これから続く決闘の始まりに過ぎませんでした。幸いにもお付き合いが続き、結婚となり、生活を共にする今でも、定期的な戦いは定例行事となりました。
圧倒的に勝ちたい奥さんと、変な戦法を試したい夫。そして大体、奥さんが夫をボコって勝つ… これが夫婦の基本構図です。
カードゲームにしても、ボードゲームにしても、テレビゲームであってもです。我々は仲が良い… 仲が良いです。良いに違いありません。そうですよね?
敗北者は。

それはそれとして、奥さんを中学生女子のデッキだとナメてかかった貧弱デュエリストは…
黙って。

アルプスの山々に…
鳥葬する。

散骨完了!
「二度と敗けねェから!!!!」 後日再戦して、普通に負けました。はい。
次回の記事は…
謎のサプライズ企画 『くりすまブラック。』
読んでくださってありがとうございました。 次回は奥さんへ仕掛けたクリスマスのサプライズ記事になります。お楽しみに!
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