セット間にある久遠の闇

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 マジックのカードセット間にある強烈なギャップについて描きました。

 舞台とする次元によってガラリと雰囲気を変えるマジック。それが醍醐味であり、慣れていない者の脳を揺さぶります。 

 ファンシーなブルームバロウの《菓子化》と、エビルなダスクモーンの《ベイルマークの大主》のイラストをそれぞれ見比べて、セット間に潜む〈久遠の闇〉を見ていこうと思います。

 この振り幅こそマジック。たまらねえ、吹っ飛びそうだぜ。

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2枚のかわいいカード

ブルームバロウの《菓子化》

 かわいい魔法。かわいいね。

 青特有の「クリーチャーを別の何かに変化させる」呪文。これはお菓子である食物に変えます。

 黒や赤の直接的な除去魔法と異なり、対象を無力化するまでに留めています。お菓子になったものは場に残るし、エンチャントなので呪文を剥がしてしまえば元のクリーチャーに戻すことが出来ます。

 でもお菓子の間は食べれる。戦車だろうがスピリットだろうがクリーチャー化した沼だろうが、クッキーとして食べれる。おっそろしい。

 命を奪わないだけあって、優しい部類の魔法のはずです。さすがブルームバロウ、牧歌的な次元ですね。ただ優しい魔法が優しい結果に繋がらないのがマジックのいいところです。基本的に優しくないです。

ダスクモーンの《ベイルマークの大主》

 かわいい化物。かわいいね。

 悪夢の館であるダスクモーンの主『ヴァルガヴォス』が生み出した、客人を積極的に“歓迎”するもの。

 ベイルマークには落ち着いた広間と庭があります。日光と乾燥が苦手な旅人が安堵できるよう、最大限の湿気と陰気で満たされています。広い場所で落ち着けない内向的な人のために、所狭しと蜘蛛の巣が張られ、どこからでも墓石が目に付くよう配慮されています。

 《ベイルマークの大主》の出現には兆候があり、ゆっくりとあなたの眼前に現れます。それを待っていても逃げても良いですが、会ってみると意外に気が合うかもしれません。彼と話すたび、忘れていた悪夢が次々思い出されます。

 “愛しい時間を、愛しいあなたと共に。” ヴァルガヴォス航空は、ダスクモーン観光に力を入れています。なお前回訪れた《ブルームバロウ》とかいう小さな動物たちの世界は二月前に渡航不能となりました。ご了承ください。

 じょ、情緒が… 追いつかない…

 おまけ 『夫が塗っていたラフ』

 当初、イラストをこのような配色で進めようと思っていたのだが、奥さんから修整を喰らった。

 色が上手く決まらず、奥さんに相談したところ「そんなに黄色くない」とバッサリ。塗りなおす。

 以降は夫の後ろに奥さんが仁王立ちし、奥さん監修の下、色塗りが完了した。ありがとう。

 色… 苦手なんですよ…

2セットの比較

圧倒的な久遠の闇

 ブルームバロウからダスクモーンへの疾走感。

 わずか57日で変わる、圧倒的な世界観。マジックの好きなところです。

 2024年の8月2日に発売された『ブルームバロウ』のカードセットは、小さな動物たちが繰り広げる冒険譚です。この次元には人間がおらず、アニマルフォークと呼ばれる獣人たちが自然と調和した社会を築いています。

 ブルームバロウの世界は見るからに牧歌的で、ファンシーで、絵本の水彩画が動いているような温かい世界観です。この絵柄に惹かれた新規プレイヤーや、これほどまでに優し気な次元に驚いた古参プレイヤーが数多くいたことでしょう。

 そのわずか二ヶ月後、『ダスクモーン』とかいう暗黒モダンホラー次元に突入します。サブタイトルに〈戦慄の館〉がつくほど不穏なこのカードセットは、うごめく悪夢が壁を這う呪われた館が舞台です。前作の陽だまりは消滅しました。

 この次元には不運にも迷い込み、何とか脱出しようとする生存者と、既に取り込まれた犠牲者と館の邪悪が、一人でも多くの知性を崩壊させようと躍起になっています。おしゃべりウサギがティーパーティーを開くことがない世界観です。

 何故こんなことが起きるのか。コタツでミカンしてたのに、台風で屋根が吹き飛んで雨雲が部屋に入ってくる程の温度差。それはマジックの世界が《多元宇宙》であり、個々の世界がほぼ完全に独立しているからです。

『多元宇宙』
 マジックに数多く存在する、独立した世界。通常、その世界の住民は多世界を認知していない。

 それぞれの世界には『久遠の闇』と呼ばれる、何とも混じらない純粋で混沌とした無の空間が隔たりとしてある。

 そこを行き来して他世界に出入りするのは『プレインズウォーカー』という限られた一部の存在と、『領界路』と呼ばれる次元をつなぐトンネルが稀に生じるのみである。

 マジックはストーリーが局所的に連続していない場合、セット毎に舞台とする次元が切り替わります。大局的に壮大な物語を描いているので、シリーズのクライマックス以外は毎回世界観が変わります。一部のキャラクターが繰り返し登場して世界に干渉するので、個別の世界にストーリーの繋がりが発生します。

 だからブルームバロウからダスクモーンへ移行することは自然なことなのですが、 あ ま り に も ギャップが激しい。春と秋のない令和の日本の天気みたいだよ。風邪ひくよ。

 そのズレが癖になってくると、マジックが脳に染まり出しています。マジックを最近知った人が泡吹いている様をネットで見ると、心がポカポカしてきます。真の仲間に完成するまで、手ぐすね引いて待っています。

 ではダメ押しに、もう一度…

 か わ い い よ ね 。

次回の記事は…

おめでとう《闇の末裔》さん! 『ジャンプスタート収録記念』!!

 読んでくださってありがとうございました。 次回はファウンデーションズのジャンプスタートに収録された《闇の末裔》さんの記事になります。お楽しみに!

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